全国小津安二郎ネットワーク

お知らせ

 長野県茅野市にある野田高梧記念蓼科シナリオ研究所が、野田高梧(1893~1968)の日記の一部をWEB(https://www.noda-tateshina.jp/)で公開した。「東京物語」「麦秋」の製作時期と重なる部分。野田の日記は全46冊。野田の妻が最後に住んだ神奈川県内の娘家族宅に残されていた。宮本明子さんが解読作業を進めた。現在、解読できない文字は、□□となっているので、前後関係から更なる解読が必要なようだ。日記は、1930(昭和5)年から始まり、67(昭和42)年でまで。1~2冊で1年分。公開されたのは50年11月~51年と53年の日記。「麦秋」、「東京物語」の脚本を小津、野田の2人で作った時期に当たる。

■野田高梧の日記から
 1月1日 小津君と電話にて賀詞交換
 1月12日 今日は秩父宮殿下の葬儀の日なり。雨。
 1月23日 小津君より電話、茅ケ崎行きは節分後にし、それまでに映画など見ようかという話になる。
 1月29日 小津君十一時すぎまで勉強。グリンハイヤで帰る。原さんの役を未亡人にしてはと話す。
 2月4日 4・56小津君と湯河原中西。「東京物語」方向相談、大体の傾向をきめる。雑談。仕事の話。いろいろあり二時になる。
 2月14日 5・33発、茅ケ崎に行き、リンタクで茅ケ崎館に行く。一足おくれて小津君来館。
 2月18日 仕事、長男を町医者にし、長女の夫を役所勤め、三男は大阪の鉄道に勤めていることにしてはなど語合ふ。
 2月20日 堀の提案、杉村さんの役を美容師にしてはと云ふ。
 2月26日 高田好胤さん来訪
 3月1日 吉田首相「バカヤロー」と怒鳴る。
 3月2日 夜、相談、両親を熱海にやることにする。安宿で眠られない場面など、それを初め考へた日比谷公園の場面に変える。
 3月5日 スターリン重態の記事あり。
 3月12日 小津君三時すぎ帰宿。(中略)仕事、尾道より始め大坂を略すことなど略決定。
 3月16日 尾道のシバイを考へる。後半の形、大分整ふも東京での両親が息子娘の本心に気付くシバイまだもう一工夫なり。
 5月27日 今日でシナリオ完成の目鼻つく。依って最後の競輪37枚買ひ、3290円あたる。
 5月29日 十時すぎ小津君と電話で連絡し、グリンハイヤで小津君宅へ行き、シナリオ読み合せ。一二カ所手を入れる。
 5月30日 茅ケ崎滞在中の酒43本。仕事、四月八日シナリオ着筆延べ五十日。二百八十六枚三十二場面。 6月23日 小津君と共に尾道へ向ふ。
 6月24日 車中、暑く、例により眠られず、名古屋にて空白み晴れ、12:44尾道着
 6月25日 夜、宿の一家の人たちセリフの訂正に協力してくれ、うっかり十二時になる。
 6月28日 夜中、蚊に攻められ、ついに一睡もせず、シナリオを浄写する。 6月30日 尾道へ来て、今日初めて晴れる。またロケハン(中略)夜、またセリフをテープレコーダーに入れる。
 7月1日 10:44尾道発、小津君と二人倉敷下車、美術館、民藝館、考古館を見、歩いて駅へ来る。
 7月3日 大阪城、城東線の駅などロケハン。
 7月4日 シナリオ方言清書にかかる。
 7月6日 朝、方言を写し取り、小津君と電話で打合せ、三時出社。
 7月21日 小津君と月ケ瀬で会ふ。二十三日よりロケ、二十五日より、代書屋セットインの由。
 7月25日 朝グリンで出社。「東京物語」のセット初日。服部家(代書屋)長岡輝子女史と話す。
 8月10日 小津組小料理屋セットを見、大阪の下宿、おでん屋、アタミの宿のラッシュを見る。
 8月27日 小津組セット、美容院、杉村女子中村伸郎氏などに会ふ。尾道ロケのラッシュ美し。
 8月30日 小津君より電話、アパートでの会話、起きてやりたいといふ話。

小津安二郎松阪記念館が、4月3日、松阪市の松坂城跡にある松阪市立歴史民俗資料館二階にリニューアルオープンします。
松阪市殿町1539番地 ℡&FAX:0598-23-2381 
入館料は(共通券)一般:80円、6~18歳:40円
開館時間:午前9時~午後4時半
休館日は祝日を除く月曜と祝日の翌日

1700掲載時点での年度別内訳は以下の通りです。

1927年:17
1928年:72
1929年:57
1930年:82
1931年:41
1932年:53
1933年:52
1934年:36
1935年:48
1936年:30
1937年:24
1938年:6
1939年:12
1940年:18
1941年:41
1942年:34
1943年:9
1944年:1
1945年:0 ※戦前計633
1946年:7
1947年:20
1948年:25
1949年:25
1950年:32
1951年:30
1952年:33
1953年:29
1954年:6
1955年:12
1956年:23
1957年:24
1958年:51
1959年:47
1960年:23
1961年:25
1962年:16
1963年:8
1964年:11
1965年:2
1966年:3
1967年:1
1968年:2
1969年:10
1970年:5
1971年:6
1972年:4
1973年:4
1974年:5
1975年:3
1976年:5
1977年:6
1978年:7
1979年:5
1980年:6
1981年:6
1982年:2
1983年:12
1984年:5
1985年:10
1986年:10
1987年:4
1988年:7
1989年:8
1990年:2
1991年:9
1992年:13
1993年:40
1994年:20
1995年:14
1996年:6
1997年:7
1998年:23
1999年:12
2000年:20
2001年:13
2002年:10
2003年:65
2004年:18
2005年:10
2006年:6
2007年:15
2008年:11
2009年:10
2010年:13
2011年:16
2012年:6
2013年:29
2014年:28
2015年:17
2016年:11
2017年:13
2018年:12
2019年:9
2020年:2

『活弁士になってはみたけれど』 山崎バニラ(活動弁士)
『我が追憶の原節子』 二宮一晃(映画同人誌「血矢夢馬羅(チャンバラ」(1984~2014年)発行人)
「吹流し」のようなひと のむみち(「名画座かんぺ」発行人)
「原節子と小津映画-原節子生誕100年記念」展について 築山秀夫(全国小津安二郎ネットワーク副会長)

講座「小津安二郎再発見-三つの視点を通して-」
日時:10月31日(土)、11月14日(土)、12月5日(土) 14:00~15:30
於:江東区古石場文化センター
10月31日(土)小津作品と戦争(講師:古賀重樹 日本経済新聞文化部編集委員)
11月14日(土)小津映画と家族-戦前・戦後作品を通して映画かれた家族の変遷-(講師:築山秀夫 長野県立大学教授)
12月 5日(土)映画史の中の小津安二郎 その登場-松竹対日活(講師:佐伯知紀 映画史研究家)

申込等詳細は、以下です。
https://www.kcf.or.jp/furuishiba/koza/detail/?id=1364

歴史秘話ヒストリア「小津安二郎 日常というドラマ」放映
日時:9月9日(水)午後10時30分~午後11時15分
「娘の結婚、老い、家族の日常を描き続けた小津安二郎。監督昇進のチャンスが来たのはカレーライスをめぐる大ゲンカからだった?働き盛りで届いた召集令状。過酷な日中戦争で見た地獄、そして心の友との別れが小津の作風を変える。戦後陥ったスランプ、助言を求めたのは脚本家。その家族との不思議な共同生活が小津を苦境から救う。なんとNG100回超!遺作「秋刀魚の味」のヒロイン、名優・岩下志麻が明かす小津の執念とは?」(NHK歴史秘話ヒストリアHPより)
https://www4.nhk.or.jp/historia/

太田文代「大雄寺境内にある「山中貞雄之碑」の拓本を巡って」(1~4頁)
広瀬美治「長谷川嘉代さんにもう一度会いたい」(5~6頁)
中澤千磨夫「「昔々の知り人」考-紅林さかえという随筆家-」(6~7頁)
藤田明「せんぐりせんぐり帖」(8頁)

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