5月8日の小津ネット総会で講演してくださった建築史家で東北大学大学院工学研究科教授の五十嵐太郎さんが、『建築ジャーナル』7月号に「映画と開口部について」という一文を寄せている。小津ネット講演のため五十嵐さんは小津と成瀬巳喜男を見直したという。
一部を引けば、「小津は徹底してローアングルから日本家屋の室内を撮影したことで知られるが、画面の両側は必ず襖や障子を配し、その枠組を反復して重層的な奥行きをつくる。
ただし、常にセットでつくられた部屋は、開口部の向こうにマットペイントの風景が描かれることはなく、屋根や塀で遮られており、また家の外観も撮影しなかった。孤立した家である」。
成瀬の『めし』の開口部にコミュニケーションが発生しているのと対照的と指摘する。小津の開口部が「孤立」しているというのは興味深い(中澤千磨夫)。
2016年7月号は、第1254号、「反電磁波講座+」特集、五十嵐太郎の先読み編集局というコーナーでの一文です。
三重県松阪市にて「小津安二郎展」開催されます。小津監督とその作品に影響を与えた
松阪での暮らしぶりなどを知ることのできる、小津監督のルーツを辿る松阪ならではの
資料の展示がされます。
開催日時: 平成28年6月21日(火) ~ 6月26日(日) 10時~16時
開催場所: 松阪市文化財センター 第3ギャラリー (松阪市外五曲町1)
ギャラリートーク
『証言・当時を振り返る-撮影現場の小津安二郎-』
日時 6月25日(土) 13時~14時
講演 兼松熈太郎監督 (日本映画撮影監督協会 理事長)
聴き手 宮本明子氏 (東京工業大学 助教)
座談会
『私の小津安二郎』
日時 6月26日(日) 13時~14時
出演 井上孝榮、井上正和、宮本明子、佐野洋治 (順不同・敬称略)
※ギャラリートーク、座談会ともに定員50名(先着順)
5月8日の小津ネットの総会の様子が、次の番組で放映されますので ご覧下さい。
今年2月から関係者にインタビューを繰り返され、結実した番組ですので、小津ネットとしてもたいへん待ち遠しいです。
日時:6月24日(金)19:30~20:00
チャンネル:NHKBSプレミアム
番組名: 美の壺「小津映画」