全国小津安二郎ネットワーク

小津監督を巡る文献・資料

『サンデー毎日』第九年第三十號(1930年6月29日発行、大阪毎日新聞社、東京日日新聞社、36頁)

表紙:雨(松竹座河邊月子・森都子)
小津安二郎「漠然と語る」(23頁)
※冒頭を紹介する。
「僕のおばあさんは、伊勢の津にゐました。長い間-僕の少年の時分から-リュウマチでねてゐました。活動写真は一生のうちに昔一度見たことがあったそうです。何でもお寺の屋根から鳩が飛んだり、風が吹いて咲きそろった花がゆれてゐたり、それもひどく雨が降ってゐる實寫だったそうです。僕が活動写真の会社に入社したことも知ってゐました。僕が初めて監督になった年の秋、予備役の召集で田舎に帰って、久しぶりにおばあさんに会いました。その時、活動写真の監督とは、どんなことをするのかと尋ねられました。僕はいろいろ説明しました。が、監督の仕事は映画を見たことのない人にはなかなか分かって貰へないものです。」「おばあさんには、結局、監督の仕事は分からなかったのですが、僕が多少とも出生をしたことと思って喜んでくれました。」
 この後、小津は、映画のことを食べ物に例えています。小津は、自分自身を豆腐屋に例え、映画を豆腐に例えていたが、26歳のこの頃から、そのようなメタファーを使っていたことが分かる。

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