全国小津安二郎ネットワーク

小津監督を巡る文献・資料

文献目録の紹介

小津安二郎に関する文献については、いくつかの文献目録が存在している。代表的なものを紹介する

『フィルムセンター64 小津安二郎監督特集』 1.

『フィルムセンター64 小津安二郎監督特集』(東京国立近代美術館フィルムセンター、1981年11月6日)巻末の「小津安二郎文献一覧」(pp.45-48、p.9)

 著述(エッセイ・論文・インタヴュー・対談・座談等)(42)、シナリオ集(刊本のみ)(3)、評論・評伝・パンフレット(刊本のみ)(6)、評論・回顧他、作品批評・解説に分けられている。

『小津安二郎を読む 古きものの美しい復権』 2.

『小津安二郎を読む 古きものの美しい復権』(フィルムアート社、1982年、2,000円)巻末の「小津関係文献」(pp.380-389)

 著述(54)、シナリオ集(3)、論集・評伝・パンフレット(8)、評論・回顧他、作品批評・解説、さらに、フランス語文献もあり、雑誌、新聞、単行本に分けられている。

『小津安二郎全発言1933~1945』 3.

田中眞澄『小津安二郎全発言1933~1945』(泰流社、1987年、2,400円)の付録<文章・発言一覧(戦前)>(pp.291-296)

 1927(昭和2)年~1943(昭和18)年までの文章・発言目録が掲載されている。巻末には、シナリオ発表一覧(戦前)として、シナリオが発表された雑誌名等の一覧がある。

『小津安二郎戦後語録集成 昭和21(1946)年-昭和38(1963年)』 4.

田中眞澄『小津安二郎戦後語録集成 昭和21(1946)年-昭和38(1963年)』(フィルムアート社、1989年、3,000円)

 後記として、「本書には、小津安二郎の戦後、昭和二十一(一九四六)年から三十八(一九六三)年の死に至るまでの『活字になった言葉』の、発見し得た限りのすべてを収録した。」と書かれている。

『小津安二郎戦後語録集成 昭和21(1946)年-昭和38(1963年)』 5.

「ACTミニ・映画資料館・所蔵・小津安二郎作品別・文献目録」(1987年6月現在)『小津安二郎のえいが』(ACTみるきー増刊NO.2)(ACTミニ映画資料館、1987年6月20日)pp.40-48

 「懺悔の刃」から「秋刀魚の味」及び「生きてはみたけれど小津安二郎伝」(井上和男監督)までの作品別・文献目録、「小津安二郎・人と芸術」、寄稿・対談・インタビュー・その他、評論・記事・エッセイその他、小津安二郎監督・作品に関する記事(映画評論)、小津安二郎監督・作品に関する書籍、小津安二郎監督作品パンフレットに分かれている。

『キネマ旬報』1994年7月7日号臨時増刊「小津と語る」『キネマ旬報』1994年7月7日号臨時増刊「小津と語る」
6.

牧野守・奥村賢編「小津安二郎文献目録」『キネマ旬報』1994年7月7日号臨時増刊「小津と語る」(キネマ旬報社、1,500円)pp.161-187

 トップページには「内外問わず、小津はますます研究され、関連書は毎年のように出版されている。今回は昨年までに刊行された小津に関する文献を、定期刊行物までも含め、できる限り収録した。特に戦前の日本語文献は、新聞なども含んだ完全なものである。」(p.161)とある。 日本語文献目録(pp.162-183)と欧米語文献(pp.184-187)に分かれている。日本語文献目録の冒頭に、「◎日本語文献の採集は、戦前のものに重点をおいておこなった。とくに新聞記事は、戦前のものについてのみ記録した。 また、採録されたものは原則として記録の対象からはずしたが、著者がみずからの著書へ採録したものについては採集することにした。シナリオについては、単行書形態で刊行された書籍だけを対象にすることを基本としたが、雑誌形態で発行された出版物でも、シナリオ集として編纂されたものは、記録対象に含めることにした。」(p.162)とある。

『古本屋「シネブック」漫歩』 7.

中山信如『古本屋「シネブック」漫歩』(ワイズ出版、1999年、3,800円)「小津安二郎をめぐる本Ⅰ~Ⅵ」(pp.110-135)

 三河島にある映画専門古書店主によるもので、小津安二郎を巡る本・資料について、中山氏自身の評価も交えて紹介されている。巻末索引(pp.313-346)には、それら資料の古書価も書かれている。

8.

CiNii(Citation Information by NII)による「小津安二郎」の検索

 小津映画に関する論稿について、大学紀要などについても広く掲載されているNII(国立情報学研究所)学術情報ナビゲータ:CiNiiを使って「小津安二郎」を検索することで、全てではないが、その一部を捉えることができるだろう。
 実際に、「小津安二郎」を論文検索してみると、400件の論文がヒットした(2017年4月30日現在)。刊行年に並べて、最初のものは、『キネマ旬報』1949年4月号(キネマ旬報社)掲載の小津安二郎「スターシステム濫用」(14-15頁)である。
 どのような論文がヒットするのか、50件毎でみてみれば、50件目は『ユリイカ』1981年6月号(青土社)掲載の岡島尚志「小津安二郎…まなざしの過剰と身体の確認」(121-127頁)。 100件名は『映画研究誌FB』1996年冬季8号(行路社)掲載の沼田純子「如是我見『父ありき』(152-174頁)、 150件目は『三重大学日本語文学』2002年6月号掲載の尾西康充の資料掲載「梅川文男『小津安二郎氏』」(128-131頁)、 200件目は『文芸春秋』2003年12月号掲載の田中眞澄「『日本の家族』を撮り続けた小津安二郎」(89-92頁)、 250件目は『文星紀要』17号、2005年(文星芸術大学)掲載のMason Jr. Thomas「 意図的沈黙と空疎な饒舌--小津安二郎作「お早よう」の会話:An Ironic Silence, Hypocritical Noise: Speech in Yasujiro Ozu's Ohayo」(89-100頁)、 300件目は『北海道武蔵女子短期大学紀要』41号、2009年(北海道武蔵女子短期大学)掲載の中澤千磨夫「痙攣するデジャ・ヴュ-ビデオで読む小津安二郎-⑫小津安二郎作品地名・人名稿(カラー映画編Ⅰ)(1-52頁)、 350件目は『新潮45』2013年11月号に掲載の中野翠「〈小津ごのみ〉の刻印 (生誕110年記念 特集 小津安二郎)」(244-249頁)である。

 以下に、1949年から2017年までの年ごとの「小津安二郎」検索ヒット数及び、検索数の多い年における特徴的な文献及びその文献に掲載された論文数を掲載する。

刊行年毎の小津安二郎文献数

本数 備考(小津安二郎特集他)
1949 3
1950 5
1951 3
1952 7 『キネマ旬報』1952年6月号「小津安二郎研究」4本
1953 1 小津監督50歳
1954 0
1955 2
1956 3
1957 0
1958 3
1959 3
1960 1
1961 0
1962 0 小津監督60歳、逝去
1963 0
1964 3
1965 0
1966 0
1967 0
1968 0
1969 0
1970 1
1971 0
1972 0
1973 0 小津監督生誕70年、没後10年
1974 0
1975 0
1976 3
1977 2
1978 0
1979 0
1980 1
1981 15 『ユリイカ』1981年6月号「小津安二郎-蘇る映像の世界」14本
1982 1
1983 4 小津監督生誕80年、没後20年
1984 1
1985 0
1986 2
1987 0
1988 0
1989 0
1990 0
1991 0
1992 4
1993 10 小津監督生誕90年、没後30年
『キネマ旬報』1993年9月号「小津安二郎生誕90年」4本
1994 11 『キネマ旬報』1994年7月号「小津と語る」6本
1995 7
1996 4
1997 3
1998 7
1999 6
2000 12
2001 11
2002 24 『文學界』2002年1月~12月号「小津安二郎周游」(田中眞澄)12本
2003 43 小津監督生誕100年、没後40年
『東京人』2003年10月「生誕100年記念 今こそ明かす 小津安二郎」17本
『キネマ旬報』2003年12月号「小津安二郎生誕100年 小津映画は生き続ける」3本
2004 40 『論座』2004年2月号「小津安二郎生誕100年 国際シンポジウム 生きている小津」4本
『諸君』2004年5月~12月号「百一年目の小津安二郎…『生誕百年』というお祭り(ブーム)が終わった後に(1)~(8)(田中眞澄)8本
『映画論叢』2004年12月号「特集小津安二郎」10本
2005 16
2006 8
2007 9
2008 14 『諸君』2008年1月~4月号「小津安二郎先生とわたし(1)~(4)」山内静夫、石井妙子4本
2009 12
2010 11
2011 10
2012 9
2013 18 小津監督生誕110年、没後50年
『シナリオ』2013年7月号「蓼科日記:野田高梧と小津安二郎の「蓼科日記」刊行をめぐって」3本
『新潮45』2013年11月号「生誕110年記念 特集小津安二郎」4本
2014 23 『一冊の本』2014年2月~12月号「映画に行く:エジソンから小津安二郎lまで見た男(1)~(11)(貴田庄)11本
2015 10
2016 9
2017 5
合計 400

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