全国小津安二郎ネットワーク

小津監督を巡る文献・資料

神戸100年映画祭実行委員会・神戸映画サークル協議会編『神戸とシネマの一世紀』(1998年4月25日発行、神戸新聞総合出版センター、253頁)

表紙:小早川家の秋
「宝塚映画撮影所」(73-77頁)
※小津安二郎、木下恵介、黒澤明、成瀬己喜男、豊田四郎、川島雄三ら名匠、巨匠が次々と宝塚を訪れた。中でも語り継がれるのは、昭和三十六年の小津監督『小早川家の秋』。小津は松竹の専属だったが、三十五年に東宝のドル箱スター司葉子が松竹の小津作品『秋日和』に出演したお返しに小津が東宝で一本撮ることになった。伏見の造り酒屋の姉妹と道楽者の父親ら時代の変化の中で生きる人々の姿を描いた秀作だった。姉妹に扮したのは、長女に新珠美千代、次女に司葉子、父親は中村鴈治郎。小津映画には欠かせない原節子は長男の嫁を演じていた。小津の昼食はいつも冷奴と黒ビール。宿泊先の宝塚の旅館で連夜の宴会になった。宴会の終わりは「すみれの花咲く頃」の大合唱。小津は「またここに来て、もっと良い映画を撮るよ」と言って宝塚を去ったが、それが実現することはなかった。」(75頁)

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