朱宇正『小津映画の日常 戦争をまたぐ歴史のなかで』(2020年10月15日発行、名古屋大学出版会、324頁)
帯「無の美学から日常の政治性へ 小津は保守的で日本的なのか。だとしても、それはどういう意味でか。映画産業との関係を含め、大不況や戦争、復興など、近代性と葛藤する同時代の日本の歴史的文脈のなか、それをせめぎ合う作品を精緻に読み解き、新たな小津像を提示した国際的力作。」
序章(1-28頁)
小津、歴史、日常(1-4頁)
日常を研究する(4-15頁)
日常と日本の近代(15-20頁)
小津研究における方法-テクストと文脈(20-28頁)
第一章 初期の小津-小市民映画と日常的リアリズム(29-77頁)
松竹の誕生-小山内と野村(32-36頁)
蒲田調と日常のリアリズム(36-49頁)
日本の中産階級と小津の小市民映画(49-67頁)
日常における逸脱(67-77頁)
第二章 過渡期における小津-サウンド版とファミリー・メロドラマ(79-185頁)
小津とトーキー(81-92頁)
喜八もの-ノスタルジックな世界への/からの旅(92-108頁)
共感における連帯-小津の女性映画(109-134頁)
第三章 戦時期の小津-ブルジョワ・ドラマと国策映画の間で(135-185頁)
軍国主義との妥協-大船と小津の戦時期(137-153頁)
ブルジョワ婦人と日常のジェンダー・ポリティクス(154-169頁)
不在の父と小津のヒューマニズム的戦争ドラマ(169-185頁)
第四章 戦後の小津-占領期の小津映画と復興された東京(187-243頁)
戦争、戦後、近代(189-201頁)
占領期の小津映画における日常とジェンダー関係(201-219頁)
一つの都市の二つの物語-復興された東京と失われた東京(219-243頁)
第五章 晩年の小津-新世代と新サラリーマン映画(245-274頁)
新世代(246-262頁)
新生活(262-274頁)
終章(275-283頁)
注(285-317頁)
あとがき(319-324頁)
参考文献(11-24頁)
図表一覧(8-10頁)
索引(1-7頁)