全国小津安二郎ネットワーク

小津監督を巡る文献・資料

いしいきよこ・石井正孝『湘南暮らし』(2003年8月8日発行、東京書籍、175頁)

文 いしいきよこ 写真 石井正孝
「茅ケ崎の原風景<茅ケ崎館>」(162―167頁)
※一部抜粋する。「「小津さんは夜中に執筆が終わると、ここ(現在の非常口)から庭へ出て、茅ヶ崎海岸まで散歩に出かけられていたようです。」女将さんからそんな話がさらりと出る。<茅ケ崎館>の客室は、「一番」「二番」と番号札が掛けられている。小津監督は最初の頃は一番に、その後、二番、三番の部屋に長期宿泊していた。滞在は、年間一五〇日から二〇〇日に及んだというから、もはや泊り客というよりここに暮らしていたようなものだ。実際、部屋にコンロや火鉢、銅製のヤカンから茶ダンスまで持ち込んで、自分で料理をしていたそうだ。「小津さんは松阪出身(ママ)ですき焼きが好物でしたから、部屋でよく女優さんや映画スタッフとすき焼き鍋を囲んでおりました。特製メニューの『カレーすき焼き』がお得意で、ご自身で作られておりました」(166頁)

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