全国小津安二郎ネットワーク

小津監督を巡る文献・資料

『Shochikkuza NEWS』第二巻第二十五號(1930年6月12日発行、札幌松竹座、10頁)

「名匠小津安二郎原作監督 松竹蒲田二十大作中の傑作 落第はしたけれど」
「何がこの映画を作らしたか? 監督の小津、脚色の伏見、主演の斎藤諸君の落第の会話からまづまづ 
小津「君落第したことがあるかい?」
伏見「ウウン」
小津「何て返事をするんだ、ハッキリしないじゃないか」
伏見「実は一度ばかり‥」
小津「一度ばかり?」
伏見「勿論一年につきさ」
小津「さうだろう‥でこんな物語があるんだ”落第はしてけれど”て題なんだがね落第必ざしも悲観すべからずと言った様なテーマなんだ」
伏見「落第礼讃かい」
小津「さう云っちゃいかんよ」
この時齋藤達雄登場、斎藤「落第のコトならスベテ僕に任せて貰いたいなあ」
小津「任せるよ、大いに任せるよ、これは君でなきゃ出来ない役だよ」
斎藤「一寸待って呉れ、何だかホメられた様な気がしないぜ」
伏見「で卒業生の面々は誰だろう」
小津「さてと、一渡り見わたしても撮影所にや卒業顔は少ないなあハハ‥」(9頁)

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