2017.08.18
『週刊朝日』第六十八巻第一号通巻二二七四号(1963年1月4日発行、朝日新聞社、142頁)
「ジャンプ’63 映画監督小津安二郎 自宅客間(鎌倉)」(7頁)
※撮影企画によれば、明治以降の日本が迎えた卯年は、いつも危機感に満たされた年であった。そこで、それ以前の卯年のようにならないように、むしろうさぎが大きく跳躍できるような年にしたいと願い、このグラビア企画を練った(94―95頁)とある。そして、109人がジャンプし、67枚の写真が掲載された。巻頭は、衆議院議長清瀬一郎。続いて、東大総長茅誠司、東本願寺裏方大谷智子、奈良女子大教授岡潔、柔道銃弾三船久蔵、作家獅子文六、画家前田青邨に続いて、7頁目に小津監督が掲載されている。実は、この企画にはモデルがある。フィリップ・ハルスマンの『JUMP BOOK』(1959年)という写真集。アメリカの高名な政治家、実業家、学者、芸術家、俳優、女優など、例えば、ニクソン大統領やサルバドール・ダリ、マリリン・モンローなど各界の大物たちがジャンプする姿178点が収められている。小津監督の写真撮影エピソードについて、「小津監督は、二年前、野球をやっている時にアキレス腱を切ったことがあるよしで『飛べるかな』と言いながらも、軽くポンポン飛ばれました。小津監督の十八番である低い角度からの写真ですが、お気に召しましたでしょうか」(97頁)と結んでいる。