2017.12.23
『蒲田』第十三巻第五號通巻一四二號、五月春季特別號(1934年5月1日発行、蒲田雑誌社、150頁)
表紙:川崎弘子
「新作ピックアップ 『母を戀はずや』」(34-35、39-38頁)
飯田心美「人間・小津安二郎」(60-61頁)
「映画物語『母を戀はずや』」(90-91頁)
菊池三之助」「蒲田スタヂオ キャメラ行脚」(92-93頁)
※一部抜粋する「いちばん新しい仕事らしい仕事をしている小津安二郎監督が、同じやうに是も、時代劇方面で好い仕事をしている日活の山中貞雄監督を連れて来て、二人して漫然と撮影所内を万遍なく案内して歩いている。普段、それもチョンマゲ物ばかり撮っている山中監督には、蒲田でかうして現代劇を撮っているのを見るのが、相当に珍しいらしい。このふたりの並べて撮るのは、相当興味があるではありませんか?」(小津と山中のショットあり)
エム坊「撮影所日記 十九日 昨年度優秀映画の会がキネマ旬報社主催で午後六時から報知新聞社講堂で開かれた。蒲田、小津監督作品で「出来ごごろ」が昨年度優秀映画として当選されたので、今夜は表彰式を兼ね、同映画を上映するので、小津監督を始め阪本武、飯田蝶子、突貫小僧が舞台より挨拶する。大盛会であったといふ。」(130頁)
「松竹スタジオニュース 蒲田通信 小津安二郎氏は、昨年八月「出来心」を発表以来休養だったが愈々半ヶ年に亘る準備を終え小宮周太郎原作、野田高梧構成、池田忠雄脚色になる『母を戀はずや』に着手した。