2018.03.10
『松竹座ニュース』第三巻第四十號(1931年8月発行、松竹座、8頁)
「蒲田絶対名画 東京の合唱 最近封切
生活都市・失業都市・東京の合唱!
彼は大学を出て、世間並みの会社員だ
それからおかみさんを貰って、三人の子供の父だ。
それから もう それから、何もする事はなくなった。
百二十圓の月給で、子供を育てる事と會社へ勤める事と。
-それから馘になたらどうする?サラリーマンが馘になると
いうのはそんなに現実と掛け離れた問題ではない。
社長の命は絶対服従だ!
彼岡島眞二はこれに反抗した。
東京―
二百五十萬の失業者の中の一人に、彼も今日から加えられた。」(1頁)
「東京の合唱 鬼才小津安二郎監督蒲田特作 これこそ心境ものに独自の怪腕を恣に奮ふ悩めるモダン日本の赤裸々なる半面だ!今日の小市民階級のいつはらざる描破だ 学生篇、社会篇、同時封切」(8頁)