2017.07.23
『映畫春秋』第四號(1947年1月1日発行、映畫春秋社、86頁)
表紙:グロリア・グレーハム RKO社提供のフランク・キャプラ作品「素晴らしき人生」に出ている新進。
滋野辰彦「作家研究 小津安二郎抄論」(13‐17頁)
※一部抜粋する。「『父ありき』や『戸田家の兄妹』以後、小津安二郎の映画に接しないことすでに数年である。かへりみれば日本映画にもっともすぐれた作品が揃って作られたのは昭和十年十一年のところで、早くも十年の昔となった。十二年は華北に事変のはじまった年である。」「昭和十年十一年ごろ、日本映画が最もすぐれた作品をつくり出していた当時、第一流の演出家として目されていたのは、わたくしの考えによれば溝口健二、伊丹万作、内田吐夢、小津安二郎の四人であった。近年この四人が一様にそろって、ほとんど仕事らしい仕事をしなかったことは、いかなる理由によるかをわたくしは詳らかにしない。」