全国小津安二郎ネットワーク

小津監督を巡る文献・資料

『映画芸術』第17巻第8号264号(1969年8月1日発行、映画芸術社、118頁)

佐藤忠男「小津安二郎の芸術(第七回)小津作品のスタイル(その六)」(72-75頁)
冒頭を引用する。
「小津映画のあの独特のゆっくりしたリズムについて、永年、小津作品の編集者であった浜村義康氏に聞いてみた。浜村氏はもとカメラマンであり、大正十三年の清水宏監督の第一回作品『恋より舞台へ』がカメラマンとしての最初の作品である。昭和十五年ごろから編集者に転じ、小津安二郎の『戸田家の兄妹』(昭和十六年)と『父ありき』(昭和十七年)を担当した。その後、ニュース映画の日映に転じたので、戦後の小津のさいしょの作品である『長屋紳士録』は杉原よしがやったが、また松竹にもどり、その後は小津が松竹でつくったすべての作品を担当した。新東宝の『宗方姉妹』(昭和二十五年)、大映の『浮草』(昭和三十四年)、東宝の『小早川家の秋』(昭和三十六年)の三本だけは他社作品なのでやらなかったが、他社では編集のシステムが違って小津は仕事がしにくいといい、浜村氏はそのたびに、それらの作品の編集者に会って小津の好む編集のやりかたについて説明した。」

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