全国小津安二郎ネットワーク

小津監督を巡る文献・資料

『映画世界』第3巻第4号通巻第24号(1950年4月1日発行、映画世界社、90頁)

「インタビュー談話室 源平時代を天然色映画に 夢を語る 大佛次郎氏」(42-43頁)
※冒頭を引用する。
 大佛氏の「宗方姉妹」が映画化される。主人公節子を帰朝後問題の田中絹代が扮することになった上、上原謙、木暮實千代、高峰秀子等の豪華キャストが組まれ、小津安二郎が演出を担当するのだから期待は大きい。大佛氏は原作者としてこの映画化に対してどう考えられているだろうか。
『この前も小津君が来て、話していったのだが、あれは登場人物が”かげ”を持っているから、むつかしいだろうね。だからあれをこわして、時間的にもうまく展開していって、小津流に組み立ててくれといっておいたんです。小津君にすべて任せました。こわし方にも色々あると思う。僕ははじめ、姉妹を主にしてたのが、書いているうちに亮助に興味がわいてきた。引揚者の気持ちなどという彼の持っているものにね。だから映画にする場合、彼を心棒にして、そのぐるりを節子や宏やらがめぐって話をすすめてみてはどうかな、とも考えてみたけれど、これは僕の一案で、小津君はやはり三人の女性を中心にして行くらしいね。まあ小説の「宗方姉妹」は僕のものだが、映画は小津君の「宗方姉妹」だという気持ちです。』

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