2017.08.01
『映画ファン』第七巻第六號通巻第七十號(1947年6月1日発行、映画世界社、34頁)
表紙:水戸光子
大黒東洋士「小津安二郎と『長屋紳士録』(表紙裏)
「みんな子供になって 賑やかな大船文化祭 J踊るのではなく、歩いている小津安二郎と井川邦子」(10―11頁)
※4月27日に、松竹大船恒例の文化祭が催された。当日は、よいお天気に恵まれて、早朝から大船駅は押すな押すなの人波で混乱を呈した。約二万人の群衆をむかえて、大船撮影所に臨時の出札口ができるという騒ぎであった。
「読者討論会・第二回 原節子論」(30―31頁)
「映画短評 「長屋紳士録」は小津安二郎久々の演出作品であり、脚本、演出、演技ともに一分のすきも無駄もない映画のお手本を見せてくれた。しかし、この映画は、数年前に小津監督が手がけてきた一連の市井物と変わるところがなく、その点で小津監督に新境地を期待した私には、なにか食いたりないものがあった。」(34頁)