全国小津安二郎ネットワーク

小津監督を巡る文献・資料

『新潮』第百十八巻第六号(2021年6月7日発行(5月7日発売)、新潮社、404頁)

平山周吉「小津安二郎 第十回 第十章 「秋刀魚」と「鱧」の三角関係(204-214頁)
※冒頭を引用する。
 「十二月十二日の午後、小津安二郎先生の死を知らせる電話が鳴りました。何度かのお見舞いで衰弱なさった先生の様子を心配してはおりましたが、目の前で死を知らされますと、胸が急につまってくる思いでした。その直後、新聞社からの電話で「小津先生をしのんで感想を?」と問われても、驚きと悲しみが先に立って、とうてい言葉ではいいあらわせない気持ちでした。とるものもとりあえず、通夜の席にかけつけたのですが、悲しみの思いが胸にこみあげてきて、自分ではそんなにとり乱してはいなかったと思っていたのに、週刊誌に「-その中では原節子が終始涙を流し、声をあげて泣いていた姿が印象的だった」などと書かれてしまって、ずいぶんとり乱して悲しみの中に身を置いていたのだな、と知らされたのでした。通夜、葬儀をすませたあと、落ち着いて先生のお仕事ぶりをふり返ってみますと、戦後の私の女優生活の中で、どうしても欠くことのできない人であったことがよく判ります」原節子の小津追悼文である。こんな記事が存在していることに今まで気づかれなかった。「婦人倶楽部」昭和三十九年(一九六四)二月号に載った「いま、小津先生の想い出も悲しく」という二頁の記事で、文末に「(この記事は談話をもとにしてまとめました)」とある。

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