2019.06.10
『新映画』第七巻第二号(1950年2月1日発行、日本映画出版、80頁)
「田中絹代渡米の余波 映画界批評」(25頁)
※一部抜粋する。「彼女が渡米して間もなく、こんな話が出た。「田中絹代の渡米に際して新東宝では五十万円を餞別に贈ったのに、永年つくした松竹からは僅かしかくれなかった。田中は心の中に松竹の薄情さをうらんで旅立った。」と言うのである。それに端を発してか、田中絹代本人のいない田中問題は、益々紛糾して行ったのである。新東宝が餞別に贈った五十万円は、それが新東宝作品になるであろう「宗方姉妹」の出演内諾金になるのではあるまいかと。これを機会に田中は松竹を離れるのではあるまいか。」