2017.09.05
『サンデー毎日』第79巻第7号(2000年2月13日発行、毎日新聞社、170頁)
「発見!!故小津安二郎監督の中学生日記」(150―153頁)
※一部抜粋する。「その日記帳は小津の実弟、信三さ(故人)の妻、小津ハマさん(75)の手によって保管されていた。18(大正7)年と21年の2年分で、それぞれ2年生から3年生にかけてと、最終学年の5年生3学期から卒業後にかけてである。年齢的にはぼぼ14歳から17歳の時期に当たる。」「ハマさんの話に耳を傾けてみよう。「94年のことですが、義兄が住んでいた松阪の旧宅の跡を見に行きました。燐家の佐野家でお話をうかがっていると、『小津さんの日記があるんです』と言って渡して下さったのです。話によりますと、51年の大火で旧宅は焼けてしまったのですが、蔵だけは残りました。その後、蔵も処分するということになって、昔の小津をご存じの佐野家の方が『これはヤッちゃんのものだから』と、大切に保存して下さったのです。一読して驚きました。それまで少年時代のことはほとんど分からずにいましたが、本当にいろいろなことが具体的イメージとなって目の前に現れてきました。それも自身が書き残した文章から浮かび上がってきたのです。」(150頁)