2017.07.23
『キネマ旬報』No.12憲法記念映画特集(1947年4月1日発行、キネマ旬報社、43頁)
表紙:シルヴィア・シドニイ
飯田心美「小津監督は語る」(14‐15頁)
※冒頭を引用する。飯田「小津さん。南方には大分ながいこといられたようですが、その間どんな風にすごしていられましたか」小津「マレイでは、軍の委嘱で記録映画を撮る準備中でしたが、仕事が始まらぬうちに情勢が悪化し、ひとまず中止のかたちとなり、やがて終戦となり、向うの収容所に入り、帰還するまで労務に従事してました。ゴム林の中で働く仕事を命じられ、そこに働いているあいだ暇をみては連句などをやっていました。撮影班の一行がその仲間なんです。故寺田寅彦博士もいわれていたが、連句の構成は映画のモンタージュと共通するものがある。われわれには、とても勉強になりました。軍の希望していた記録映画というのは劇の交った派手なものらしかったがぼくには全然不向で作る気も起こりませんでした。」
「日本映画紹介 長屋紳士録」(20頁)
「撮影所通信(三月二十五日調査) 松竹大船 小津安二郎は「長屋紳士録」の東京ロケを終了、引きつづき為吉の家のセット撮影中。完成は四月中旬ごろの予定」(36頁)
「長屋紳士録」と小津(40頁)
※撮影スナップ二葉「青木富廣の頬を抓る小津監督、動物園にて」、「小津監督と飯田蝶子」