2020.04.01
『オール松竹』第15巻第12號通巻174號(1936年12月1日発行、映画世界社、112頁)
表紙:高杉早苗
岸松雄「今年度松竹映画に関する感想」(38-39頁)
※小津監督の「大學よいとこ」「一人息子」に関する言及がある。
「銀幕のアベック 笠智衆・坪内美子」(70頁)
※「とんかつ」と書いた旗が工場街の空に舞っていた「一人息子」。大久保先生と杉子の現実ならぬ映画から、映画ならぬ現実への復帰した姿です。
小松海作「『一人息子』管見」(94-95頁)
「大船新聞 笠智衆スター陣へ」(100頁)
※「一人息子」の大久保先生を演じて名声富に上った大船のかくれたる名優笠智衆は、各方面から絶賛を博し大船においても彼をスターとして起用することに決定、野村監督の全発声「人妻椿」の網元の役で活躍するのを手始めとして将来大船の堅塁スターダムの一雄として頑張ることになった。
「大船新聞 小津監督の第二回トーキーで 岡田嘉子大船に返り咲く 松竹スター陣充実」(101頁)
※今春松竹と契約期間満了と共に小津作品「東京の宿」を最後に幾多映画界への功績を残して松竹蒲田を去り、舞台に走っていたが、今回再び銀幕に、約半年ぶりで大船に返り咲く模様である。
「松竹スタジオ 10月22日調査」(108頁)
※小津安二郎氏は、次回作品は池田忠雄、伏見晃の脚本による全発声と決定、脚本脱稿次第準備にとりかかる予定である。第一回全発声「一人息子」に次ぐ同氏の作品は、いろんな意味に於いて各方面から注目が注がれているが、ここで方向を一転して徹底的明朗篇を発表することになった。