全国小津安二郎ネットワーク

小津監督を巡る文献・資料

『オール松竹』第十八巻第九號(通巻第二〇六號)(1939年9月1日発行、映畫世界社、140頁)

表紙:上原謙
「特輯グラフ 萬歳!小津ちゃん還る」
①昨年八月南京で初めて佐野周二に会った時の戦線に在った時の小津軍曹の思ひ出で、この頃は今日還る日のことを心の片隅にでも思ったでしょうか。②召集解除当日、監督協会の出迎えを受けて靖国神社へ帰還報告の帰り中央に小津ちゃん、他に清水宏、五所平之助、野村浩将、宗本英男、原研吉、吉村公三郎、大庭秀雄(以上大船)、島津保次郎、内田吐夢、斉藤寅次郎、瀧澤英輔、成瀬己喜男監督の他に、日活小杉勇の顔も見えます。③「戦争は平凡な私たちの考えを超越したものです。激戦中にも警備の余暇にもその一齣一齣に生き生きとした命が流れている。この尊い体験を無上の喜びと思っています」こう語りながら、戦地では不足しがちだった煙草の紫の煙りをすーと吹いて小津ちゃんは懐かしい微笑を漂わせます。④靖国神社の大鳥居の前で三年ぶりの背広姿で小津ちゃんの笑顔。⑤終わりにもう一度前線の思い出を拾って半身濁水に漬かりながら労苦の渡河作業、しかしその面に浮かぶ微笑は昔も今も変わらぬ温かさがこぼれています。ついに小津ちゃんは還ってきた。私たちはこれから小津ちゃんに何が期待できるだろう?」(20‐21頁)
「佐野周二戦地画譜 第三輯 ⑬(佐野周二自記)昭和十三年八月二八日、南京にて渡支してより南京で始めて小津ちゃんに逢った日-右端が周二でその肩に手をかけているのは今はもう還って来た小津ちゃん(小津安二郎)です。」(31頁)
水町青磁「松竹月評 ☆小津軍曹帰還」(39頁)
「松竹スタジオ・ニュース 小津安二郎氏は、出征中のところ、この程晴れの帰還、大船監督部へ復帰した。」(88頁)
「松竹新聞 小津軍曹帰還 松竹大船の小津安二郎監督いや指宿部隊の小津軍曹が三か年に亘る中支戦線の武勲も輝かしく〇〇日早朝同部隊一部隊勇士と共に帰還した」(91頁)
「監督軍曹小津ちゃん還る」(本誌記者)(102―103頁)
春風會代子「大船豚珍日記 還って来た小津ちゃん」(115頁)

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