2017.09.21
『アサヒグラフ』第55巻第29号通巻第1404号(1951年7月11日発行、朝日新聞社、22頁)
表紙:加賀淳子
「名優小津の熱演ー映画-」(16頁)
※一部抜粋する。「スチール写真は映画の献立見本である。だからファン諸氏諸嬢の頭に或る幻想をうえつける魔力を潜ませていなくてはならぬ。ガラス越しに、某々スターの男性的な眼差しに心臓を射抜かれ、さては艶麗なる某々スターの媚態に「ツイ魔がさして」映画館にすいこまれるファンの数は少なくないそうだ。されば映画会社も人気スターの数奇をこらした扮装と歓喜、悲愁、希望、失意、あらゆる表情を撮り集めてああでもない、こうでもないと苦労しているのも無理からぬ話である。さてこれは松竹映画、小津安二郎監督「麦秋」の場合-鎌倉の某料亭の庭園を一日借り切り、小津監督が照明、結髪、小道具の面々、これに便乗する映画雑誌記者カメラマン数多を引具し、映画撮影ホンバンそこのけの細心な演出で「凝りに凝りまくった」スチール撮影風景である。」
グラビア7枚(全て小津監督)