全国小津安二郎ネットワーク

小津監督を巡る文献・資料

社報『松竹』第126号(1960年10月発行、松竹株式会社調査室、17頁)

えくらん 異彩を放つ!二大芸術参加作品 秋日和 笛吹川
 秋日和 小津監督と云えば小道具の一つ一つに至るまでゆるがせにしないので有名だが、こんども本ものの多くの美術品を使っている。料亭のセットで原節子、司葉子の二人が座っている背後の床の間には梅原龍三郎の「バラ」山口蓬春の「椿」がかけられ、二人の清楚な美しさとマッチしている。
 他に梅原龍三郎の扇面「浅間」速水御舟の「千住大橋」。
佐分利信が原節子、司葉子と逢ううなぎ屋のセットでは小座敷の床の間に、吉井勇の「色紙」の軸物、橋本明治の「ねずみ」。
 原節子が勤める服飾学院の院長室には東山魁夷の「赤坂離宮」。
 佐分利信の会社の応接室には梅原龍三郎の「カンヌの海」加藤栄三の「鵜」。
 原節子と司葉子が食事するとんかつ屋のセットでは橋本明治の「仏像」。
 中村伸郎、三宅邦子夫妻の田口家には武者小路実篤の「色紙」安井曾太郎の「デッサン」。
 北竜二、三上真一郎父子の平山家には小林古径が志賀直哉に宛てた書面を偏額にしたもの。
 原節子、司葉子の母娘が住むアパートには安井曾太郎のデッサン「椅子」、橋本明治のデッサン「大同石仏」。
 そのほか 梅原龍三郎の「桜島」「バラ」
橋本明治の「舞妓」「鶴」「果実」
杉山寧の「蜜柑」「梅」「鵜」「仏像1,2」「孔雀」
速水御舟の「桜」
東山魁夷の「竹林」
奥村土牛の「菊」
前田青邨の「熊谷直実」
高山辰雄の「風景」「丘」等がある。
 なお変わったものでは、佐田啓二提供による「若乃花、千代乃山、栃錦、鏡里」等人気力士の手形の偏額がある。総計二十数点、美術愛好家垂涎のいつ物ばかりである。

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