全国小津安二郎ネットワーク

小津監督を巡る文献・資料

坂本佳鶴惠『〈家族〉イメージの誕生 日本映画にみる〈ホームドラマ〉の形成』(1997年1月20日発行、新曜社、411頁)

「6章 小津安二郎作品をめぐるジャンルの変遷」(249-265頁)
1 カテゴリーの変化(249-258頁)
※冒頭を引用しよう。
「1950年代の日本の家族の映画を語るとき、映画ファンが必ずあげるのは、小津安二郎の作品である。小津安二郎の作品は、戦前から戦後の家族を語るとき、しばしば具体的な素材とされる。彼の作品は映画界において名作として評価され、当時の映画通たちによく観られ話題にされた。また、名作として比較的作品が保存されており、国際的な評価の高まりもあって、現在の映画ファンにとっても観る機会が多い。
 小津安二郎の作品のいくつかは、すでに本書の母もの・父ものや小市民映画、ホームドラマの章でとりあげた。小津安二郎は、初期の頃はギャング映画なども作ったが、戦前の1937年くらいまでの作品の多くは、「学生もの」「喜八もの」「小市民映画」といった名称で呼ばれるものである。なかでも「喜八もの」「小市民映画」は、戦前の小津安二郎の映画を代表する作品群として知られている。大学生のキャンパス生活を描いた学生もの、4章で述べた小市民映画は、他の監督作品にもみられる一般的なジャンルであるが、喜八ものは、坂本武が扮する喜八という名の低所得労働者を主人公とした一連の下町の人情喜劇で、小津作品のこのシリーズにのみ用いられる呼称である。
2 テクストの変化(258-265頁)

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