全国小津安二郎ネットワーク

小津監督を巡る文献・資料

小津安二郎を巡る関連文献・資料

1984年の関連文献・資料

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書誌情報
1984
井上和男編『小津安二郎作品集Ⅲ』(1984年1月20日発行、立風書房、262頁)

「一人息子」(5‐34頁)
「淑女は何を忘れたか」(35‐68頁)
「戸田家の兄妹」(69‐130頁)
「父ありき」(131‐166頁)
「風の中の牝鶏(ママ)」(167‐200頁)
「晩春」(201‐244頁)
井上和男「解説」(245‐262頁)

井上和男編『小津安二郎作品集Ⅳ』(1984年3月12日発行、立風書房、391頁)

「麦秋」(5‐64頁)
「東京物語」(65‐122頁)
「東京暮色」(123‐180頁)
「お早よう」(181‐222頁)
「秋日和」(223‐278頁)
「小早川家の秋」(279‐322頁)
「秋刀魚の味」(323‐369頁)
井上和男「解説」(370‐391頁)

リブロポート編(編集協力 西嶋憲生・堀切保郎・前川道博)『リブロ・シネマテーク 小津安二郎 東京物語』(1984年3月30日発行、リブロポート、326頁)

「『東京物語』映像デクパージュ」(9‐226頁)
佐藤忠男「『東京物語』について」(227‐247頁)
インタビュー厚田雄春「『東京物語』のカメラワーク」(インタビュー協力=大場正敏)(248‐257頁)
インタビュー斎藤高順「『東京物語』のテーマ音楽(258‐261頁)
野田高梧「『東京物語』の頃(キネマ旬報別冊 昭和39・2」(261頁)
『東京物語』資料、新聞・雑誌時評(262‐272頁)
『東京物語』資料、スタッフ・キャストプロフィール(273‐291頁)
小津安二郎関連文献(291頁)
「付録『東京物語』小津監督使用台本(293‐326頁)

上原謙『がんばってます 人生はフルムーン』(1984年4月12日、共同通信社、285頁)

「小津安二郎と志賀直哉」(153-158頁)
※一部引用する。
「婚約三羽烏」を撮る前に、私は小津安二郎監督の「淑女は何を忘れたか」に特別出演した。この作品は小津さんのトーキー第二作だが、私はほんのワンシーンしか顔を出さなかったにもかかわらず、小津さんと喧嘩(?)したことが印象に残っている。
 私がこの映画でどんな役を与えられたかというと、驚くなかれ、「上原謙」の役をやるのである。佐野周二君が主役で、女優陣では例によって、栗島さん、飯田さん、吉川さんの”女三羽烏”が顔を並べる。
 この三人の女友だちが歌舞伎座に歌舞伎をみにいく。幕間にロビーに出て、ぺちゃくちゃお喋りをして、「フレデリック・マーチ」の話題になる。「フレデリック・マーチ」というのは、この当時のアメリカのスターである。この映画の話の時、私が廊下を来る。
「あ、上原謙だ」と飯田さんが言う。吉川さんが、「ところで、あんたが付きあっていた『軍艦マーチ』どうした?」と、会話は、この作品の仲で、「軍艦マーチ」というあだ名で呼ばれる主人公、佐野周二君の話題に切りかわる。
 私は「本物」の上原謙役を演じたわけである。私はいつものとおり、胸ポケットに三角折りのハンケチを入れて、廊下を颯爽と歩いた。すると、小津監督がツカツカと歩み寄って来て、私の胸ポケットからハンケチを取りだすと、それを真四角にたたみ直して、再び胸ポケットに差し込んだ。小津さんという人は、高峰秀子さんがあだ名をつけて「きっちり山の吉五郎」と呼んだくらい几帳面な性格の人であった。
「これでいい」と小津さんがうなずくのに対して、私は言い張った。
「ちょっと待ってください。この作品では、私は”役”じゃなくて、上原謙として出たんですから、思うようにやらしてください。
 こういって、小津さんが四角に折ったハンケチを、元どおり三角に折り直して、ポケットに再び差し込んだ。私の頑固な一面が、顔をのぞかせ、自分の遺志を無理やり通したのである。小津さんは、カッカして、ほんとうに怒っているようだった。この時代の小津安二郎監督といえば、まさに飛ぶ鳥も落とす勢いで、恐らく天下の小津に歯向かったのは、松竹の歴史上、私をおいてなかったのではあるまいか。この反抗的な態度のおかげで、私は小津さんの作品にはほとんど使われなかったのである。
 しかし、このハンケチ事件がきっかけになって、映画にこそ出演させてくれかったが、小津さんは茅ケ崎の私の家にも遊びに来るようになった。小津さんが脚本を書くのは茅ケ崎館が多かったから、原稿に倦んだときなど、池田忠雄さんや斎藤良輔さんなどの共同執筆者といっしょに、私の池を訪れて、風呂に入ったり、ビールを飲んでいったりしたものである。

『小津安二郎作品特集』(1984年5月2日発行、銀座並木座、4頁)

「小津安二郎監督」(表紙)

梅本洋一『映画は判ってくれない』(1984年11月20日発行、フィルムアート社、297頁)

「蓮實重彦『監督小津安二郎』(258-263頁)

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