2023.05.01
『蒲田』第十巻第一號通巻一〇二號、新年特別號(1931年1月1日発行、蒲田雑誌社、158頁)
表紙:栗島すみ子
グラビア「お嬢さん」(13頁)
グラビア「お嬢さん」(24-25頁)
「映画物語 お嬢さん」(62-63頁)
小津安二郎「デレクタア雑筆 大切なもの」(84-85頁)
※冒頭を引用する。
『誰が』『何を』『どんな境遇のもとに』行ったか。
これが、最も簡単な形式に於ける、劇の三要素である。言い換えれば、人物、プロット、背景の三つ。
どんな複雑した劇でも、この三要素以外はない。そうして、又以内もない。しかも、この三つの要素によって組み立てられた劇の形式も、左の三つの他にはない。
1.プロットを立てて後、人物と雰囲気を描く。
2.人物を定め、その性格に必要な事件と局面とを描く。
3.雰囲気を描いて後、行為とじんぶつとを捉えてくる。」
筈見恒夫「小津安二郎と一九三〇年」(86-87頁)
「一九三一年の松竹に希望す 特別寄書」
中澤貢「‥然して或る何物かを指示せんとする鬼才小津安二郎等少壮デレクターの一九三一年のより偉大なる活躍を望む」
村岡盛三郎「‥感心したのは「足に触った幸運」唯一篇のみとはあまりに情けない。」
柴田一雄「先ず監督から-蒲田を語る時には小津安二郎の存在を忘れてはならない。あの朗快無比なギャッグと一抹の淡々たるペーソスと軽妙なタッチは吾人の毫も彼に杞憂を感じない所以である。確実なと言う機械的にも等しい處の彼のメガホンの偉力は三一年の蒲田を語るに最もふさわしく思われるのである。」