全国小津安二郎ネットワーク

小津監督を巡る文献・資料

『映画評論』第11巻第1号(1954年1月1日発行、映画出版社、154頁)

杉山平一「東京物語」(69-70頁)
冒頭を確認しよう。
「私は小津安二郎、山中貞雄の作品を見るたのしみで、映画と離れられなかった。「これが映画だ」とさえ思いこんだ時期があった。それが、戦争末期の動乱と戦後の混乱の風潮に、女子供ほどでなくともかなり私自身巻き込まれてしまって、変わり映えのしない小津作品に「晩春」を除いては一再ならず不満を覚えるようになった。
 今「東京物語」を見て、かなり安心を覚えた。戦後に浮き上って見えた生活のない遊びや気障っぽさが、ここでは沈潜して最も得意とする親子関係の宿命の表現への力となって生活と人間の実感を打ち出してきたのは大変うれしい。」

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