2021.08.17
『映画之友』第十八巻第十號(1940年10月1日発行、映画世界社、136頁)
表紙:高峰秀子(早田雄二・撮影)
「次回作品の抱負を訊く 小津安二郎に「戸田家の兄弟」をきく」(66-67頁)
※冒頭を引用する。
「お茶漬の味」を中止して以来、小津安二郎は、再び池田忠雄と第一回作品の脚本に取り掛かった。五月の始め頃だった。その後三か月余、この程漸く脱稿をみた。「帰還してからまる一年遊んでしまった。尤も「お茶漬の味」がやれていたら少なくとも一本は作っているわけだが‥。原作ものやろうかと思って、いろいろ探したんだがね。結局また池忠さんとオリジナルつくることになってしまった。脚本というものは難しいもんだ。一年かかって大の男が二人よって二本しか書けないんだからね。
「日本映画通信」(109頁)
「小津安二郎新作決定 小津安二郎はいよいよ帰還第一回作品に着手する。作品は池田忠雄脚本執筆の「戸田家の兄弟」、原田(ママ)雄春のキャメラで帰還以来一年二か月振りに開始となった譯。