2021.03.21
『新潮』第百十七巻第八号(2020年8月7日発行(7月7日発売)、新潮社、396頁)
平山周吉「小津安二郎 第一章 「無」と「無常」と「無藝荘」」(112-120頁)
※冒頭を引用する。
「毎年、十二月十二日に、北鎌倉で小津会が開かれる。映画監督の小津安二郎が御茶ノ水の東京医科歯科大学付属病院で亡くなったのは、昭和三十八年(一九六三)十二月十二日だった。その日は、小津の満六十歳の誕生日だったから、律儀にもきっちり六十年の生涯だったことになる。映画製作においても日常生活においても、何事をもゆるがせにしない小津は、図ったわけではないのに還暦の年の誕生日にこの世を辞した。」(112頁)