2017.08.04
『キネマ旬報』No.1027 第二百十二号(1958年8月15日発行、キネマ旬報社、150頁)
表紙:クリスティーヌ・キャレル
「鼎談 酒は古いほど味がよい『彼岸花』のセットを訪ねて 小津芸術を訊く 小津安二郎、岩崎昶、飯田心美」(44―49頁)
※有名な小津監督の言葉「なんでもないことは流行に従う、重大なことは道徳に従う。芸術のことは自分に従う。」が、岩崎や飯田が小津監督に大型スクリーン(ワイド)やパンを何故やらないのかを聞いた返答として発せられた。
具体的には、「性に合わないんだ。ぼくの生活条件として、なんでもないことは流行に従う、重大なことは道徳に従う。芸術のことは自分に従うから、どうにもきらいなものはどうにもならないんだ。だからこれは不自然だと云うことは百も承知で、しかもぼくは嫌いなんだ。そう云うことはあるでしょう。嫌いなんだが、理屈にあわない。理屈にあわないが、嫌いだからやらない。こういう所から僕の個性が出て来るので、ゆるがせにはできない。理屈にあわなくてもぼくはそれをやる」と続く。