2017.07.30
『キネマ旬報』No.838 第23号(1951年9月15日発行、キネマ旬報社、80頁)
表紙:ジャネット・リイ
見開き広告「麦秋 名作「晩春」のスタッフ再び起つ!」(8-9頁)
「演出拝見 小津安二郎の巻」(29頁)
※冒頭を引用する。「小津安二郎の監督ぶりについて、様々な伝説的風評がある。セットの中は静かなることさながらお通夜の如くだ。NGがどれだけ出ようと気に入るまでは撮り直しをする、いつも低いアングルで撮るので、キャメラマンが寝そべりつづけ、お腹をこわしてしまう等々。本当だろうか?-幾分は本当である。ただ、小津監督の指揮が能率的なので余計なドタバタ騒ぎが起こらず静かなのであり、気に入るまで取り続けても俳優の粒が揃っているからNGの出ない本番だってあるのであり、たしかに低いアングルで寝そべりはするが何せ一番キャメラを覗くのは同監督であるからキャメラマンは腹をこわさずに済むだけのことなのである。」